「リフレクション 内省の技術」本紹介・概要

キャリア

本の紹介

リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術

著者:熊平美香

この本を読むべき人

  • 外に解決策を求めすぎて、自分自身を振り返ることが少ない人
  • 自分を上手く振り返ることができていない人
  • 自分自身が学びの宝庫であることを認識していない人

リフレクションとは?

 物事が行き詰まった時、色々な解決方法を試しても、うまくいかないことはありますか?そんな時に必要なことは新しい知識でも優秀なメンバーでもなく、「自分自身と向き合うこと」が欠けている場合が多々あります。自分の外に答えを探す前に、自分の内面をリフレクションし、自分のものの見方を俯瞰する方法をこの本から学ぶことができます。

【説明】 リフレクションとは 自分の内面を客観的に振り返ることであり、気づきを得やすくなる。

 

【目的】  あらゆる経験から学び、未来に活かすこと。どんな経験にもたくさんの叡智が詰まっている。

リフレクションで得られる効果

 学ぶ力(ものの見方や内面など)をアップデートができる。

  • うわべだけの知識で、深い気づきに向かわない。自分の中にあるものと知識を繋げ、深い気づきを得ることができる。
  • スキルや知識だけをアップデートするだけでは十分ではなく、自らののものの見方や内面をアップデートし、スキルや知識を使いこなせるようにできる。
  • 過去の成功体験などにとらわれず、手放すことができる。
  • 他人への理解を深めて、他人の成長を促すことができる。
  • 他人の理解やビジョン設定ができるようになり、組織をまとめるリーダーシップを発揮できる。

 リフレクションすることで得られる効果の範囲は自分を超え、他人や組織まで広く、詳細は本書を手にとって、読んで頂きたい。実際のやり方や具体例もあり、とても参考になりました。

リフレクション概要

【認知の4点セット】

【リフレクション種類】

リフレクション基本 : 認知の4点セット

【本書の説明】 自分の認知を高めるため、意見、経験、感情、価値観に切り分けて、可視化・言語化する。自分の認知の枠や縛られているものを理解する。意見は過去の経験、感情、価値観から形成されている。自分がモノゴトをどう捉えているか認知できるようにする。これらがリフレクションの土台となる。

 

 認知の4点セットは自分を振り返るフレームワークとして、シンプルで振り返りやすくしてくれる、とても使える考えだと思いました。私がイメージしたのは意見(考え)の下には過去の経験、感情、価値観が繋がっているのだなと思いました。

リフレクション1 : 自分を知る

 ここからは認知の4点セットを駆使してリフレクションを行うが、本書では5つ紹介されていた。

【本書の説明】 自分を突き動かす大切な価値観を得るために行う。価値観は内発的動機に繋がり、やりがいと幸せを感じる機会を増やす。どんな時でも自分のモチベーションを自ら動かすことができるようになる。

 よく他人の価値観で生き、自分を持っていないという意見を耳にするが、そういう人はこのリフレクションができていないかもしれません。この本では「ネガティブな感情」を抱いた時はリフレクションの対象となるとあった。つまり、それは価値観が満たされていないサインであり、そこからリフレクションし、価値観を見出せたら、自分を持てるようになるかもしれません。

リフレクション2 : ビジョンを形成する

【本書の説明】 自分の心の中にあるビジョンを動機の源である価値観に結びつけることで、自分が実現したいことを明確にできる。ビジョンと現状のギャップを変えたいと願う強い気持ちが生まれ、実現に向かうエネルギーになる。

 経験、感情を通して価値観と結びついているビジョンを手に入れることは人生における生きがいを持てると思います。

リフレクション3 : 経験から学ぶ

【本書の説明】 ありたい姿に到達するために様々なハードルがある。それを乗り越えるために経験から普遍的な法則を見出し、持論を得る。経験から学びを未来に活かす。成功しても、失敗しても経験を知恵に変える。失敗を悔やむことではなく、失敗をポジティブな気持ちで振り返る。

 自分自身の経験は気づきの宝庫だと本書を読んでいて感じました。リフレクションし、掘り起こさないともったいないのかなと。

リフレクション4: 多様な世界から学ぶ

 リフレクション4は自分と自分以外(人や考え)に対してそれぞれ認知の4点セットでリフレクションを行う対話形式となる。

【本書の説明】 自分達の判断は限られた経験や知識に依存する。自分の世界を広げるために、視野を広げ、より深く物事を考えるためにも対話が必要。自己をリフレクションし、感情をコントロールし、評価判断を保留にして、他者に共感する。評価判断を保留にすることで、自分の枠の外に出ることができる。

 歳を重ね、経験が増えるごとに他人の考えを受け入れなくなってくることがあると思います。柔軟に考えるためにも学び、気づきを得るために、このリフレクションは重要なのかと思いました。

リフレクション5 : アンラーン

【本書の説明】 これまでのやり方や考え方が通用しなくなる時にアンラーンを行う。アンラーンは過去の学び(成功体験)を手放すことである。リフレクション4の対話によって、自分以外の意見も俯瞰できるようになった次のステップとなる。過去の成功体験を手放すには、自分がこれまでどのように意味づけしているか、認知する必要がある。その上でアンラーンの先にある世界を想像する、もしくはその世界に生きる人にインタビューし、認知の4点セットを行う。アンラーンで手にいる新しいものの見方が自分と一体化しているかリフレクションを通して認知する。

 過去の経験にこだわり過ぎて、なかなか上手くいかないことはありませんか?人は苦労して手に入れた経験を手放すことにためらい、なかなかアンラーンできないかもしれません。その助けとなるのがここでのリフレクションだと思います。

本を通して思うこと

 私は成長や学ぶことに対して外から知識や技術を取り入れることばかりなっていました。この本を通して、確かに自分自身が学びの宝庫であり、それを掘りおこしやすくしてくれるのがリフレクションであり、認知の4点セットだと、この本を読んで思いました。

 自分の内面を振り返ることで、自分の経験や考えから学ぶこともでき、また外から知識や技術を取り入れる時に自分の中にあるものとつながり、気づきも増えていきます。これまで重要視していませんでしたが、リフレクション、自分を振り返ることは大事です。リフレクションの内容を書き出し可視化し、習慣化しましょう。そしてより良くするために、どんどん自分を振り返りましょう(自戒を込めて)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました