「ナヴァル・ラヴィカント」本の紹介・概要

幸せ(happiness)

「シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント」

エリック・ジョーゲンソン

  • 幸福について知見を得たい人
  • 資本主義社会において富を得る考えを知り、自由を得たい人
  • 不確実な現代を生きるヒントを得たい人

【富を得る考え方】

【心の幸福】

◆ 良い状態 ◆

◆ 悪い状態 ◆

 この本は有名な投資家であり、自身も起業など色々な人生を経験し、様々な会社を見てきたナヴァル・ラヴィカントが幸福について考えをまとめた本です。ナヴァルは哲学など様々なジャンルの読書家でもあり、この本は示唆に富んだ本でした。自由の土台となる富を得る方法と心の幸福の2部に構成されています。内容の1部分をまとめてみました。

 ここでは富の中でもあまり馴染みのない収入を得る考え方について紹介します。ナヴァルの考えでは収入は以下のように分けられます。

収入=説明責任+レバレッジ+特殊知識

 特に特殊知識は幸せな生き方に関わる考え方だと思いました。以下に本文の内容をまとめます。

特殊知識は自分の純粋な好奇心と情熱によって、夢中になり身につけた知識のこと。自分にとって楽しく、得意なこととなり、専門性や創造性が伴う。学校などで学んで身につけることではない。遊び、親、仕事、自分の経験との関わり中で学び身につけれるものであり、DNAの遺伝的要素もあるかもしれない。子どもの頃や10代の頃に苦もなく夢中にやっていたことから見つけることができる。

 特殊知識は自分らしさ、強みとなり、幸せな生き方につながると思いました。

 その特殊知識を効果を増強するレバレッジと説明責任を以下にまとめます。

 レバレッジは労働(自分のために働いてくれる人)、資本(お金)、コードやメディアの形態がある。ナヴァルが重要視しているのはコードやメディアなど限界費用ゼロで複製できるプロダクトです。労働は人を動かすことは難しく、一つ間違えば、反乱の餌食になると考えている。お金は20世紀主流のレバレッジであり、自分の決定した効果をお金で増幅させる。資金運用のスキルにより、動かすお金をどんどん増やす。まだ生まれて間もない限界費用ゼロで複製できるプロダクトは本、メディア、映画、動画、プログラミングコードなどがある。誰の許可もいらない非許可型のレバレッジであり、コンピュータだけあれば作れる。

説明責任は自分の名のもとで信用を築くこと。それにはリスクが伴う。成功すれば功績となり、失敗すれば非難される。大きな成功をするためには、より高度な知識や大きなレバレッジが伴い、説明責任も大きくなる。ツイッターやYoutubeで仕事を無償で提供することによって自分のブランドを築いておく。自分の名前を売り、その過程でリスクを取る。

 最後にナヴァルは富、人間関係、知識などの人生の見返りは全て長期スパンで捉え、複利で得られると考える重要性を提示していました。それは資産を長期保有し、福利で増やす考えにも通じます。

 本書で色々と述べられていた心の幸福にまとめてみました。

ナヴァルは幸福を以下のように考えていました。そして、幸福は健康や栄養管理のように身につけるスキルであり、選び取ることができるという考えです。

【幸福】

  • 幸福とは「心の平安」、「素の状態」。
  • 幸福とは人生に何かが欠けているという感覚がなくなった状態。雑念が止まっている状態。何かを後悔したり、計画したり、過去や未来に思考がさまようことがなくなる。
  • 幸福とは苦しまない、欲しないこと、未来や過去のことを考え過ぎないこと、今この瞬間とありのままの現実、あるがままを受け入れる。
  • 幸福は欲望のない状態、特に外的なものへの欲望がない状態。

 幸福に反する欲望・不安を以下のように考えていました。

【欲望・不安】

  • 「これが必要」「あれが必要」
  • 欲望とは「欲しいものを手に入れるまで不幸でいます」と契約を自分自身と交わすこと。
  • 何かを変えたいと思うのは欲望。変えることは成功するまで苦しみ続ける。
  • 不安の元凶は先のことを考えること。
  • 欲望が少なければ少ないほど、物事をあるがままに受け入れ、雑念で揺れ動かなくなる。雑念は心が未来や過去に向かって動く。

  本書で述べられていた心の平安を手にする考えと方法を以下にまとめます。

【心の平安を手にする考えと方法】

  • 今この瞬間を味わう。どうせ全てチリになる。この世にいられるのは、ほんの一瞬でしかない。だから、1分1秒思いっきり楽しむ。
  • あるがままを受け入れる。自分が行うことは水で文字を書くように、はかないことと考えれば、「実際はこうあるべき」と期待しなくなる。また、どんな結果が出ても気にしない。
  • 瞑想。不安や欲望に抗おうとせず、雑念など心の動きをただ見つめる。
  • 苦しみを書き出し、俯瞰する。
  • 現実をポジティブに見る。ほぼどんな時でも何かしらポジティブなことが見つかる。
  • 自分のやりたいことをやる。自分の時間を大事にする。興味ではなく、義務(周囲の人々が「べき」ということ)で使用している時間がどれくらいか考える。
  • 人生の大きな目標を1つにする。

 この資本主義社会で良い生き方を学べる本でありました。私は特に個人の好奇心を活かす特殊知識が幸せな生き方につながる良い考えだと思いました。心の幸福は鈴木祐さん著「最高の体調」の本ともリンクしており、合わせて読むことをお勧めします。

【書籍 最高の体調】

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