「幸福優位7つの法則」書籍紹介 仕事も人生も充実させる成功理論

幸せ(happiness)

書籍紹介

幸福優位7つの法則ー仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論

ショーン・エイカー

概要・図解

【広く行き渡っている考え方】

努力→成功→幸せ 

成功の先に幸せがあると考え、苦労する。

【幸福優位の考え方】幸せが先行

 

幸せ→努力(より良いパフォーマンス)→成功

 

 大小関わらず幸せを感じることにより、より良いパフォーマンスで努力ができ、結果として良い成果を得やすい。人間の脳はポジティブな気分な時に最もよく働く。

幸福優位性を得る為の7つの法則

始めに

 この本は人生を充実させるだけでなく、仕事などで成果を出すことにも関わる内容となっている。個人的には勇気がもらえた。

 ポジティブ心理学、脳科学の多くの研究結果から導き出した法則としてまとめたれたエッセンスがこの書籍には詰まっていた。今回ブログ記事ではエッセンスの紹介にとどまるが、書籍には多くの事例やエビデンス等の記載があり、そちらは本を読んで納得や理解を進めてもらいたい。

幸福優位の考え方

 ポジティブ心理学、脳科学の研究から人間の脳はポジティブな気分な時に最もよく働くことが証明されている。ポジティブな脳は平常時やネガディブな脳と比べ、生物学的優位性を示す。幸福感は人間の脳と組織にも競争優位をもたらす。

 幸福優位性は従来とは違う地点から出発する。現状について現実的であることを要求しながら、将来の可能性を最大にしようとする。

 ハッピーフェイスを被り、その問題がないかのように振る舞うわけではない。

 膨大な調査から、幸福優位性を行動に移すことができ、成功と達成に関わる7つのパターンがあり、本書で紹介されていたので、以下に示す。

法則1 ハピネス・アドバンテージ

 幸福優位は努力によって享受可能。幸せを感じるように脳を再訓練して積極性を高めることで生産性や業績を改善できる。

 意味のある目標に邁進する、豊かな人間関係を構築する等、思考や行動を大きくポジティブに転換させることも大事であるが、日々の日常に生じるちょっとした幸せを感じるだけでも幸福優位性はもたらされる。例えば、仕事前にアメ玉をもらう、ランチの後にゼリーが出るようなちょっとした嬉しい出来事である。

 人はそれぞれに自分に合った幸福感が得られる行動がある。好きな曲を聞く、キッチンを掃除するなど。そういった行動を積極的に取り入れることが重要である。

次の行動も幸福優位を上げる訓練となる。

  • 瞑想 5分とかでもOK
  • 運動する
  • 何かを楽しみにする。行動の1番楽しい部分は多くの場合楽しみを待っている時
  • ポジティブな感情が生じやすい環境を作る。愛する人の写真を飾る、天気の良い日に出かける。
  • 意識して人に親切にする
  • 他の人と共有できる経験にお金を使う。例えば、コンサート、食事
  • 他人のためにお金を使う、ランチを奢る、チャリティーに寄付する。
  • 固有の強みを発揮する。学ぶのが好きであれば、雑用ばかりの日でも必ず何かしら学びを入れる等、生活の中に少なくとも一つ取り入れる。

法則2 心のレバレッジ化

 自分の置かれた状況をどのように経験するか、その中で成功できるかどうかは、マインドセット、すなわち心の持ちようによって、絶えず変わる。現実をどう解釈するかによって、その経験は全く違ったものになる。

 テコの原理のように、マインドセット(支点)と可能性(テコ)で幸せと成功をもたらす力を最大化する。

ポジティブな支点+自分の能力を信じるテコ=心のレバレッジ

マインドセット(支点)

 人の脳はシングルプロセッサ。その処理能力が片方に限られている為、選択を迫られる。

ネガティブ面(マイナス面、痛み、ストレス、不安)を見るか、ポジティブ面(感謝、希望、回復への期待、楽観、意味)を見るかの選択となる。

 支点をポジティブな方に動かせば、経験の情報処理の仕方を変わる。マインドセットにより感じ方を変えるだけでなく、その経験の客観的な結果さえ変わる。本書では清掃員の研究結果の例があり、清掃行為がかなりの運動効果があると言われた清掃員グループは何も伝えられなかったグループよりも実際に体重とコレステロール値も減る結果となった。

 日々の行動を自分の心がいかに捉えているかが、その行動自体よりも現実を決定する。 

以下のマインドセットも良いとされている。

  • 自分のしていることから得られる本質的な価値・意味を考える。
  • 行動の結果だけ注目するのではなく、手段そのものを楽しむ。

可能性(テコ)

 自分の能力を信じれば信じる程成功する。

難しい仕事や困難に立ち向かう時、以下を考える。

  • 失敗する理由ではなく、成功する理由を総動員する。
  • 足りない能力ではなく、自分が持っている重要な能力のことを考える。
  • 自分の具体的な強みに注目する。
  • 過去に同じような状況を切り抜けたことを考える。

→十分な努力をした上で、自分が本当に得意なことに集中する。自分の弱点を見て見ぬふりをする、空っぽの自己肯定をする、能力以上の仕事を引き受けることではない。

 仕事に対するマインドセットの違いが、満足感、充実感、完成度を決定する。

例)天職と捉えているか。世の中のため。自分の強みが活かせる。意味や目的を感じれる。

法則3 ポジティブパターン構築

 本書ではテトリス効果という名称だったが、個人的にイメージしづらかったので、「ポジティブパターン構築」とさせて頂いた。テトリス等のゲームをやりすぎると脳にそのパターンが構築され、現実世界にあるビルなどの建物がテトリスに見えてしまう。

 人の脳は世の中を何らかのパターンで見るようにできている。人生のポジティブな面を探すように脳の配線をし直し、パターンを構築することは可能性である。それにより、さまざまなな可能性が見えてきて、気力が湧き、優れた業績を上げることができる。ネガティブな見方が身についてしまうと幸福も仕事の業績も台無しになりかねない。

 ポジティブ面の見方を訓練すれば、身の回りをスキャンして成功の可能性を高められるようなチャンスやアイデアが見つけられるようになる。

 時間と精神エネルギーを最も多く注入している状況がその人の現実パターンになる。脳が常にスキャンしてそれに注目すると、幸福、感謝、楽観性の恩恵を受けれる。

 ポジティブなことに注目する反復練習が必要となる。それを始める1番の方法は仕事や生活の中に起きた良いことを毎日リストアップすることである。例えば、今日起こった3つの良いことを書き出そうとするとポジティブと思えることを探し始める。毎日同じ時間にリストを書き、習慣化する。

法則4 再起力 

 挫折と言われる現実がかなり厳しい状況でもポジティブでいられるか、下降への勢いを上昇に転じることができるか。そのよう状況ではポジティブでいることは難しいが、「人をより強くし、成長させる道」であることを思い出すことが重要。

成長の機会と捉える

 非常に困難なことに取り組むことにより、別の良いことがそこから生じることがある。ポジティブに再解釈し、楽観性を失わず、現実を受け入れ、問題を避けたり否定したりすることなく、真正面から見つめる。逆境を単なる障害とは思わず、さらに発展するための踏み石と考える。

ポジティブな反事実で考える

 ヒトは厳しい状況に追い込まれると完全な仮定である反事実を考える。

 ポジティブな反事実であれば、気分が良くなり、モチベーションが生じ業績も良くなる。その反対に、より悪い状況がより怖く感じるような反事実を選べば、それが必要以上に大きく見え、無力感に落ち入る。

 銀行で銀行強盗に遭遇し、腕を銃で撃たれる話の例がある。ポジティブな反事実であれば、「腕ではなく、頭や心臓など撃たれて命を落としたかもしれない。だから運が良い」、「子どももいただろう、多くの人が撃たれなかったことは運が良い」と考える。ネガティブな反事実は「銀行へ行くという当たり前の行動して銃に打たれることは滅多にないので、運が悪い」と考える。

このようば反事実はスケートボードやスキージャンプの斜面角度の恐怖心の例でも感じ方が違ってくる。

説明スタイル

 起きた出来事の本質をどのように説明するか。

【楽観的な説明スタイル】

逆境を限定的で一時的なものと解釈する。それほど大したことではなく、すぐに回復すると考え、建設的に努力する。

【悲観的な説明スタイル】

逆境を大々的で永続的なものだと考える。そして、無力感に落ち入る。

困難をチャンスに変える技法(ABCD)

・A(Adversity) 困難な状況の把握

・B(Belief) 信念

 そのできごとをどう考えるか。将来どんな意味を持つのか。一時的で限定的なのか。解決法がわかっているか。

・C(Consequence) 結果

 Bで楽観的になれるなら良いが、さらに悲観的に考えるならDへ進む。

・D(Disputation) 反論

 Bが自分が信じていることであり、事実そのものではないことを解釈し、疑問を呈し、反論する。声に出して行うと良い。思い込んでいるほど絶望的ではないことを時間をかけて自分にわからせる。

逆境の捉え方

 逆境はどんなものであれ、自分が思っている程ひどくならない。ひどい結果を予想することによる恐怖は常にその結果よりも悪くなる。この性質を知っておくだけでも、より楽観的に解釈できる。

 また、成功とは一度も失敗しないことではないということを理解すること。

 逆境を利用して、以前よりも幸福に、より良い成果を出す意識する。

法則5   小さなゴールから取り組む

 本書ではゾロサークルという名称だったが、映画マスク・オブ・ゾロを知らない人も多いと思うので、シンプルに「小さなゴールから取り組む」とさせて頂いた。

 小さなゴールに的を絞り、少しずつ達成範囲を広げる考え方となる。

 成功に向けてがんばる力をもたらしてくれるのは、自分の行動が物事を変えるという信念、自分の将来は自分で決められるという信念である。

 どのくらいコントロールできているかではなく、どのくらいコントロールできると自分が

思っているかというマインドセットが生産性や幸福に関係する。

大きな目標を達成する時、ストレスや仕事量も自分の能力が追いつかない状況の時、コントロール感覚が大切となる。

 まずは小さな達成しやすい目標に努力を集中させること、とりあえず努力範囲を狭くし、その努力が意図した通りの効果を上げていることを確認する。そして、リソース、知識、自信を蓄えながら、次第に円を拡大し、大きな範囲を征服する行動が幸福に関わってくる。

 征服すべき最初の目標は自己認識である。気持ちを日記に書く、信頼できる人に話す、コントロール感覚を取り戻す第一歩となる。次にどの部分がコントロールできる、できないかを見極める。

 小さな成功が積み重なれば、大きな成果に繋がる。

法則6   手軽にすぐ始めれる状態

 本書では20秒ルールという名称だったが、個人的にイメージしづらかったので、シンプルに「手軽にすぐ始めれる状態」とさせて頂いた。変化への障壁を最小化にする、つまり最も抵抗ない道にし、悪い習慣を良い習慣の行動に変える。

 知識は行動が伴わなければ意味がない。たいていの場合、知識通りに行動するということが1番難しい。

 良い方向への変化のカギは望ましい行動を習慣化」すること。長続きする変化を生じさせたければ、神経系を味方につける。脳が頻繁な練習に反応して、実際に変化する。ヒトは日々の行動の多くを自動化できるのは習慣のかたまりである。些細な行動まで意識的な選択をすると疲れ果てる。意志の力は使えば、使うほどくたびれる生き物である。

20秒ルール

 人は簡単で、手軽で、習慣となっているものに引き付けられやすい。

活性化エネルギーを20秒でも減らす、つまり自分が習慣化したい行動に手軽に直ぐに着手できるようにする。早朝ランニングをするためにトレーニングウェアを着て寝るなど。スマホ等インターネットやSNSは手軽に見れるので、流されやすい。逆に見づらい状況を作る工夫をする。

2次的な決断

 いつ決めるかを決める。朝の運動を前の晩に決める等、前もってルールを決めておくことにより、意志の力を絶え間ない選択から解放させ、生活に大きな違いを生み出す。

 人は選択肢を与えられるほど、身体的スタミナ、計算能力、やり続ける根気、集中力が低下する。選択肢を減らすコツは事前にいくつか簡単なルールを作って守ることにある。

 望ましい行動をできるだけ「最も抵抗ない道」にすること。そのためには何が活性化エネルギーか見極める必要がある。すぐに効果が出るような習慣を作り出すことが重要となる。

法則7   人との繋がりへ投資

 本書ではソーシャルへの投資という名称だったが、日本語に訳し、「人との繋がりへの投資」とさせて頂いた。

 試練とストレスに見舞われると自分の殻の中に閉じこもってしまいがちである。しかし、最も成功している人ほど、友人、同僚、家族との人間関係を大事にして、推進力とする。周囲からの支えを唯一最高の資産としている。人との関係を最も大切にする。

 周囲の人とのつながりが必要な時に、ヒトは殻に閉じこもりがちになる。例えば、困難なプロジェクトのデッドラインが迫っている時、集中するために、同僚と顔を合わせたり、雑談する時間を惜しむ。

 成功している人は逆である。内向きに引きこもるのではなく、周囲との結びつきをさらに強固なものにしようとする。有名なエジソンはグループで研究することを好み、社交的な発明家であり、決して一匹狼ではなかったと言われている。

ビジネスにおける人との繋がり

 多くのビジネスリーダーは成功の道は独りで歩くものだと信じているが、正しくない。有能なビジネスパーソンの大半は非常に競争的な環境にあっても、人間関係のリソースを蓄積し、わずかでも人と関わる時間を活用することが、試練に対処する備えになっていることを知っている。

 何かある時にあてにできる人、TVドラマについて話す人がいることが、発想力、想像力、生産性を高める。一通のメールのやり取り、ひとときの会話、会議中に感じられた心の繋がりだけでも上質なつながりになる。

 人間関係に積極的に投資をしている人たちこそ、繁栄する組織の核であり、チームを前に進める。また、上質な人間関係に積極的に投資したチーム作りは生産性を上げる。

研究例

  • 最も幸せな上位10%の人達のたった1つの特質は強固な人間関係という結果もある。
  • 良好な社会的な繋がりができると喜びを生じさせるホルモンであるオキシトシンが血中に放出され、不安を鎮め、集中力が増すと言われている。
  • 社会的な繋がりがない人は重度なうつにかかる割合が社会的な繋がりがある人と比べて、2、3倍高いデータ 

 消防活動やスキューバダイビングでバディ(相棒)がいるように、予期しない難局や脅威に直面した時、切り抜ける唯一の道は周囲の人と手を繋いで、決して離さないことである。 

最後に

 本書で紹介されていた幸福優位の7 つの法則をいかに実行に移せるかがカギとなる。本書を実際に読んでエビデンスを納得し、行動して、自分の幸福感や生産性を捉えて次に活かして欲しい。

 また、幸福の土台は健康である。十分な睡眠を取り、適度な運動を行い、バランスの取れた食事を取った上で、幸福優位の法則を実践ことをおすすめする。

書籍

幸福優位7つの法則ー仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論

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