書籍紹介
「起業1年目の教科書」 著者:今井 孝
レビュー
前回同じ著者の本である「お金の生み出し方」を紹介した。
その本の中で「ゼロから大きなお金を作っていくステップ 」を紹介した。今回の本はそのステップの内容をより詳細に示した小さな一歩を踏み出す「階段思考」がメインに書かれている。起業していく中で遭遇する場面で「階段思考」が行動を施し、目標達成へと繋がっていく。
起業だけでなく、何かチャレンジを考えてなかなか行動に移せない人などにおすすめの本である。
最終ゴールはビジネスを通して得られる「自分を認める」ことであり、生きていく上で重要なことであり、励みになる。起業やビジネスは厳しい側面があるが、励まされる温かみのある考え方が載っている本であった。
今回本書の階段思考を自分の視点でまとめた。本書では多くの階段思考があり、紹介しきれていないので一読することをおすすめする。
図解・概要
「階段思考」で小さな一歩を踏み出す行動を取り、大きな目標を達成する。
起業で達成すること
【起業における勘違い】
起業とはハードルが高い大きなチャレンジ
【起業おける失敗パターン】
- 無謀なチャレンジをして失敗するパターン
- 怖くて、一歩も進めないパターン
起業について勘違いしている人や失敗パターンを踏んでいる人は難しく考えて一歩も踏み出せない、起業に対してストレスや恐怖を覚える。
【行動するには階段思考】
それに対して、起業が上手くいっている人は大きな目標に到達するために、小さな一歩を踏み出す「階段思考」が重要なことを知っている。ハードルを低く設定し、小さく行動する。その小さな行動の積み重ねが重要となる。
【自分の価値を認める】
ビジネスはある意味では自分を好きになり、自分を認め、成長するプロセスである。「階段思考」で小さな行動を積み重ね、他者に貢献することで、自分の価値を認めれるようになる。
人間としての成長のゴールは「今の自分の価値を認める」ことである。誰かに認められることより、今の自分の価値を認める方が大切である。結果が出ない、周囲からバカにされても、他人のために一生懸命になっている自分を自身で認めれることが悔いのない生き方の1つだと考えられる。
小さく行動する
【ありきたりなアイデアで始める】
アイデアが大事なビジネスもあるが、ありきたりなアイデアで「行動し始めること」が大切。スタートしなければ、本当の意味での試行錯誤はできない。
まずは小さくやることが大切。最初はマネでも自分独自のやり方に変わっていく。動き出せば、ビジネスが育っていく。
【何でも良いから最初の一歩を踏み出す】
出会ったことない人に会いに行く、セミナーに参加する、本や雑誌、教材で情報を仕入れる、SNSで発信する等。
情報と情報が結び付いた時、今まで見えなかった道が開ける。
【気楽に5分で目標を立てる】
行動しないと目標が良かったかどうかはわからない。とりあえず仮目標を設定する。直感でも良い。違っていたら目標を変え、繰り返す内に、だんだん目標を作る精度が上がる。
社会に貢献しながら、自分も家族も満たせる目標が良い。大きな目標でも1ヶ月先の目標でも良い。目標からエネルギーが湧いて、行動が始まる。良い目標は自分を動かしてくれる。
【テスト用の予算を準備する】
損を覚悟してビジネスに投資するのは経営者として当然。
「起業→テスト→事業化」
お金をかけずにテストする方法もある。早く小さく失敗して、大きく成功する。
【お金をかけずに試作する】
まずは試作品でテストする。完成品を作らない。キモの部分だけ試作を作り、最低限のコストで何度もテストできる。全てを作ってしまっては、やり直すのが大変になる。
〈試作例〉
- 店舗をつくらず、料理を友達に試食。店を間借り。
- ソフトウェア全体を作らず、キモの部分だけユーザーに試してもらう。
- 車のデザインをCGで作る。
- 歌をデモテープで反応みる。
- 本は企画書と目次をまず書く。
【他人の商品を扱って起業する】
オリジナルにこだわらない。他人の商品を扱って、ビジネスの基盤を作り、スキルを磨き、オリジナルへ持っていく。
安心を確保しながら進める
【リスクを最小にして、少しずつ進める】
自分にあった安心感のあるやり方で、少しずつリスクを取っていく。損害を被っても金銭的・精神的に大丈夫な準備をする。例えば、副業からスタートする、起業支援のコミュニティに入るなど。
【いつでも復活できる条件を作る】
失敗したら再就職する、手に職をつけておく。退路があるから思い切ってやれる。
【人間関係を築いておく】
家族、友人、起業仲間など。何か困った時に相談に乗ってくれる人がいると安心。
価値を磨く
【商品ではなく、価値を提供する】
小さなビジネスを始める時は価値があるかどうかが大切。価値を磨くことに集中するべき。ヒアリング、アイデアの募集、テストを繰り返し、喜んでもらえるサービス、商品を作る。満足してもらえるまで、価値を磨き、提供する。
【最初の1件を大切にする】
たくさんの顧客を得るのではなく、最初の1件に集中する。価値が磨かれ、満足してもらえるまでやり切り、価値の基盤を作る。実績ができ、自信が生まれる。口コミ、リピートが広がり、自然に売れていく。
【自分で価格を決める】
価値があると感じてもらえたら、高くても商品は売れる。値段ではなく、価値が大切。
【価値を伝える】
価値を伝える努力をしなければ、相手に意識されない。伝え方によって2倍3倍価値を感じてもらえるなら、その努力をする。
【商品がなくてもSNSで情報発信する】
ビジネスは極端な話、商品ではなく「世界観」を売っている。好きなこと、大切にしたいこと、目指す社会など世界観を語り、描き、繰り返す。そのプロセスの中で自分のビジネスの考えがまとまっていく。
ゼロから作るのが難しければニュースや時事ネタを引用して、意見を書く。
【地道な作業から価値を見いだす】
特に1人で起業すると、地道な孤独な作業が増えるが、未来に繋がっていることを意識する。
大らかに結果を捉える
【おおおらかにお金の流れを見る】
投資結果はすぐに出ない。長期で見る。金を収支を見る単位を1〜3年と長い期間で見れば、目先の赤字を落ち着いて見れる。またお金は増えていないが、知識、人脈、仕組みなどリソースは増えているはず。
イメージ : 最初の1年は赤字、来年から回収、再来年は大きく黒字
【100点が無理なら部分点を稼ぐ】
例えば、契約が取れなくても、紹介だけでもお願いしたり、詳しく話を聞いて改善ポイントを見つけたり、できることを試す。
【1割の成功を活かす】
失敗を気にせず、たくさんチャレンジする。そして、10の投資の内9失敗しても残り1つが10以上のリターンが出れば良いと考える。
多くの人は1の投資に対して1以上のリターンを求める確実なリターンを保証する。
ビジネスの場合、多くのチャレンジが失敗に終わる。しかし、たった1つの成功によって、多くの失敗をカバーして余りある利益を得ることができる。
また失敗を許容するために、失敗の回数を100回程度など多めに設定することや、最初は効率を度外視することを考えとして持つ。
書いて、客観的に見つめる
【考えが堂々巡りしてもいい】
新しいことを生み出すのに脳への負荷は避けられない。新しいことを始める時はたくさんの情報を頭に入れるため、混乱し、堂々巡りするのは当たり前となる。なるべく早い解決作として、頭の中の考え、モヤモヤ、思ったことを全て書き出す。一旦書き出し、客観的に自分を見ることができ、情報が整理され、シンプルな答えが出やすくなる。
【1日を記録する】
やったこと、学んだこと、自分の成長などを記録し、ビジネスのため未来の行動をしていることを実感させる。やったことで直接的な成果がなくても、ビジネスの実験をし、種を蒔く行動していることを記録することを通して自分に実感させる。
仲間作り
【助けてくれる人間関係を築いておく】
起業家とは1人で全てを行うのではなく、足りないリソースを周りから集め、社会に役立つビジネスをやり遂げる。また悩みや課題を1人で抱え込まず、早め早めに相談する。様々な専門分野やバックグラウンドを持つ人で「助けてくれる人リスト」を作る。セミナー、交流会、コミニティー、知人の紹介などで家族や友人以外の人間関係を広げておく。
【他人を巻き込み、商品を作る】
自分の力だけで商品を作るには限界がある。お客さんからフィードバックをもらう。他人に相談して、商品のアイデアや開発を手伝ってもらう。
【こだわらずチームを作る】
色々な人とチームを組んでいく中で、どんな人が自分には合うかわかってくる。何回か人が入れ替わることにより最適化される。お互い足りないリソースを補うことが大切となる。チームで仕事をすると1人で仕事するよりスピードが早く、学ぶことが数倍多い。
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