おすすめ起業記事(スタートアップ編)を読んでみた(4)ー「起業1年目の教科書 起業家のお悩み相談」要約

イノベーション(innovation)

記事紹介

PIVOT記事「起業1年目の教科書」 藤野英人

「起業家的な人生」を選択する
成長する企業を見極め、数多くの投資をしてきた藤野英人氏は、自身も会社をつくり成功。投資家と起業家の二刀流だ。起業を考える人に具体的なステップを示す。

概要

始めに 

 スタートアップを始める起業家にとっては基本的な内容があり、一般的に起こりうる課題に対しての考え方や対応が記載され、とても勉強になる記事であった。また、実際の起業家と藤野さんが対談し、起業家へのアドバイスもあり、より勉強になる。 

 スタートアップを始めない人、例えば組織に所属して働く人にもマインドなど参考になる記事であった。

 ぜひ、全体を通して読んで、味わってもらいたい。

起業家のように生きる

 この記事では必ずしも起業家を目指さなくても良いが、起業家的な人生を送って欲しいという思いが書かれていた。

 人生において重要なのは、自分が人生の主人公となり、自分で意思決定をして進んでいく。その意思決定にあたっては、さまざまな選択肢があることが大切となる。

【一般的な労働価値観】

「働く=就職」どこかの企業団体に所属して働き、与えられた仕事をこなし、上司の言うことを聞いて頑張る。良い学歴、良い会社に入ることを目指す。

【起業という労働価値観】

 自分で仕事をつくる起業という道もあれば、新たに仕事を作ろうとしている人の仲間としてベンチャーで一緒に働き、一緒に居場所を作っていく生き方もある。

起業家としてやるべきこと

  1. 社会課題である穴を見つけて穴を埋める
  2. 実行力
  3. Whyを追求し「存在意義(パーパス)」を洗練させる

1. 穴を見つけて穴を埋める

 起業は穴を見つけて穴を埋める。穴を見つけるとは社会課題の発見である。課題が多いから日本はお先真っ暗とネガティブになるのではなく、チャンスがたくさんあり、穴を埋めようとする人がチャンスを掴む。

 起業は無から有を生む壮大な城を建てるイメージではない。綿密に城を建てるタイプもいるが、あらびきな人が起業に向いている傾向がある。

 穴を見つけやすい人は「よそ者、若者、ばか者」少し変わった人や業界外の人が発見しやすい。穴が日常的になり、認識できないことが多い。「〇〇は当たり前、〇〇は特別」など決めつけた言い方に疑問を持つことに穴のチャンスがある。

 自分たちが取り扱うことができ、そこそこの大きさがある適切な「穴」を探す必要がある。まずは小さな「穴」を見つけ、その一部をしっかり埋めていく作業を早めにやり、全体の流れや構造を知ることが重要となる。

2.良いアイデアより実行力が大切

 アイデアを実行に移して形にしていくときに大切なのは、形にしたものを市場に問い続けること。商品やサービスのプロトタイプをお客さまに見せたり、実際に利用してもらったり、できればじっくり使ってみてもらったりして、本音の意見を聞き出しながら根気よく商品やサービスの改善につなげていくことが必要となる。その間にさまざまなトライアンドエラーが繰り返されるのは当たり前のことで、時には大きく方針を転換することも求められる。「実行力」には、泥臭い仕事を積み重ねる根気も必要となる。

心が折れそうになることは何度もあるが、立てた仮説に強い確信をもっていたから続けられた。

「どうすれば実行できるか」こそが大事。

3.Whyを追求し「存在意義(パーパス)」を洗練させる

 企業(自分)が何のために社会の中に存在しているのか、パーパスを明確にしてそこに軸を置くことが重要である。

「なぜこのビジネスをするのか」「なぜこのサービスが世の中に必要なのか」というように、「なぜ」を無限に考え続けることがビジネスモデルを洗練させる。

根本的、哲学的な問いについてどれだけ深く突きつめて考えられるかが重要で、「WHY」を追求することによってこそ、大きなビジネスチャンスに気付いたり、お客さまに対するより良いアプローチができる可能性がある。社会課題そのものにどう向き合うのかが非常に本質的かつ重要なポイントになる。

起業家に訪れる課題

【補足説明】

(1) 家族・友人ブロック 

向き合うべき人にはきちんと向き合うことが大切。「自分はなぜ起業・転職したいのか」「自分がやりたいこと、やろうとしていることには勝算があるのか」「失敗した場合はどうするのか」をよく考え、配偶者や親にしっかり説明する。周囲にいる人を説得できる力というのは起業にとって大切であり、もし説得し切れないのであれば起業のセンスがないと考えたほうが良いかもしれない。

(2) 資金調達

銀行やVCからお金が出るのは、ほとんどない。

①自己資金 これまでお金の自己管理ができているかに関わり、会社の財務管理能力にも繋がる。

②仕事のパートナー、家族、知人

起業は1人で頑張る精神では成功する確率は低い。周囲に頼る愛嬌は必要となり、一言お願いする、頼るべきところは頼るという経営者として力が試される。

③国や自治体の補助金 近年国や地方自治体はベンチャーを増やすことを目指し、企業家のサポートに力を入れている。活用する。

(3) 仲間を集める

 まずは1人で始めてみる。総務、財務、人事、経理、経営、生産、流れを完璧にわかるようになる。その理解が従業員を雇う時に大きな力となる。細々した業務を自分でやると、会社がどのように回っているか理解できる。

 仲間を増やす時は「自分が良く知っている人、仕事で関わったことがある人」来てもらう方が確実。働きぶりや人柄を知っている人が良い。よく知らない人を採用して、トラブルになることがある。

 経営者として「社員もお客様だと考える」→寛容な気持ちを生じさせる。繊細なに気配り(きちんと時間を取り、コミュニケーションする)、仕事をしてくれることに感謝する。

(4) メンタル 「必死さ」という甘え

 「必死さ」は株主、従業員、お客様の心に響く。しかし、その「必死さ」は時として注意が必要。利益を上げなければ、会社や自分がダメになるかもという状況で、法律違反にならないごまかしや、サービスの多少の不具合を許容しても大丈夫という考えに陥る。やり方が最低限の社会的常識や商道徳に反してはならない。

 また、社員にハードワークを過剰に欲求してしまうことにも注意が必要。社会の変化(SDGsやESG)を理解し、権利意識が高まっている従業員にどこまで必死さを求めるか見極めることも大切。

(5) 戦略 ステージに合わせた戦い方

 ベンチャー企業の何もないは圧倒的な強み。規模が小さい分、スピーディーに事業を展開できる。会社の歴史がない分、過去に縛られず、新たな挑戦をしやすい。ダメだったら、すぐ辞めれる。

 規模が大きくなったら、自分たちの強みを考え、戦い方を見直す必要がある。

弱みを強みに変えることができないか考える。「ないことからできることは何か」を考えることがベンチャー企業に競争優位をもたらす。

(6) 死の谷

 商品やサービスを完成させ、発売にこぎつけて販売体制を整えるまでは赤字が続くのが一般的である。

①ほぼ100%迎えることが分かっている「死の谷」に備えて資金を準備しておくこと。

 創業時に自己資金や親族、知人などから出資してもらって資本金をかき集めるのはもちろん、その後も状況によってはエンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資を募るなどして資本金を集め続けることが必要。

②コストを抑えること。

 大事なのは「身の丈をわきまえる」というバランス感覚。適当にほどほどにしておくというのではなく、「今、会社にとって絶対に必要な人材」はそろえ、「最低限のたたずまい」を整えることを心がける。

③早期に売り上げをつくって利益を出すこと。

ビジネスが立ち上がって利益を出せるようにならなければ、どれほど厚い資本金を準備しても、どれだけコストを抑えても、「死の谷」を抜け出せない。

 バイオベンチャー場合は開発のマイルストーンを明確に定め、それを達成していることを説明しながら資本調達を続けて赤字に耐えていくことが必要。

 それは成功に対する執念がある。

気になる本

 藤野英人は起業家、投資家として多くの本も執筆している。下記に気になる本をピックアップする。

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