概要
はじめに
以前、「ディープメディスン AIで思いやりのある医療を」という本を紹介した。
「ディープメディスンーAIで思いやりの医療を」本要約
書籍「ディープメディスン AIで思いやりのある医療を」著者 エリック・トポル監訳者 中村裕輔訳者 柴田裕之(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateO...
実際、AI、VR、ソフトウェアを活用したデジタル技術を活用した医療は進んでいる。今回、デジタル医療の中でもいくつか製品化もされ、開発も活発になっている治療用アプリを紹介する。
日本で治療用アプリが製品化されている疾患(禁煙や高血圧)で悩んでいる方は参考にしてもらいたい。
参考記事
治療用アプリについて概要
https://www.amed.go.jp/content/000094685.pdfニコチン依存症/禁煙アプリ記事
「過去には『数百円』と言われたことも」初の治療用アプリ“2万5400円”で保険適用の意味 | AnswersNews
「万単位の収載価格となったことは治療用アプリ産業にとって大きな一歩」。国内初の治療用アプリとなるCureAppの禁煙治療用アプリが12月から保険適用されることが決まりました。
高血圧アプリ記事
売り上げ3桁億円規模も期待。「高血圧を治療するアプリ」の価値
高血圧の治療用アプリが、世界で初めて保険適用されました。同アプリの開発元であるCureApp社の佐竹代表が、9月1日に開かれた記者会見で、その価値を語りました。
「薬の前にまずアプリで治療」CureApp 世界初のDTxで変える高血圧症治療 | AnswersNews
CureAppが、高血圧症治療用アプリを薬事申請したことを明らかにしました。降圧薬未治療の患者を対象に行った臨床試験で有意な降圧効果を示し、佐竹CEOは「アプリによる治療をファーストチョイスに」と話しています。
治療用アプリ
- 医師の処方によりアプリを患者のスマートフォンやタブレット端末にインストールして使用。
- 患者が体調、計測データなどの情報を入力。
- アプリに組み込まれたアルゴリズム(AI)が解析し、最適なタイミングで個別化された診療アドバイスを患者に提供
- 次回の受診までの期間、細やかなアドバイスによるサポートを行い、治療継続意欲を持続させる。
メリット
- 行動変容による新しい治療効果
- 薬にある副作用・合併症の回避
- 個別最適化(各個人の状態により最も良いアドバイスを提供)
- 各個人の治療データを得ることにより、医療付加価値の向上
- 重症化予防
- 医療従事者の負担軽減
- 費用が高い薬の使用などの軽減等による医療費削減
対象疾患
日本国内製品化(2022年10月末時点)
- ニコチン依存性/禁煙
- 高血圧
日本国内開発中
- 非アルコール性脂肪肝炎
- アルコール依存性
- 慢性心不全
- 慢性腎臓病
- 2型糖尿病
- 注意欠如・多動性(ADHD) 小児対象
- 不眠症
- うつ病
- がん
海外製品化
- 2型糖尿病
- 慢性不眠症
- 薬物乱用治療薬
- オピオイド使用障害
- 注意欠如・多動性(ADHD) 小児対象
海外開発中
- 回想療法によるアルツハイマー治療
- 自閉症
- 片頭痛治療
- 喘息
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
今後の展望についてコメント
今後以下のような発展が期待される。個人的にも興味深い。
- UI/UX(ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験)の向上 。医師などの医療従事者、高齢者を含む患者さんの使い易さを追求することが必要である。
- 利便性の高い測定器との相性。自宅でモニタリングする為、使いやすく、小型な測定機器を必要とし、スマートウォッチを含むウェラブルデバイスや医療機器の開発やその相性も必要となる。
- 医療発展の為に各個人の治療データを集積できる仕組みで、ビックデータとして取り込みやすさが必要となる。
- 様々な疾患に対する治療アプリの製品化
- 予防を促すアプリへの応用で国民の医療リテラシーを上げれるようなアプリの開発。
デジタル医療について書籍紹介
未来の医療について書籍
リンク
コメント